5/16から5/27までKonstfack(スウェーデン国立美術工芸大学)にて卒業制作展が開催されています。
コンストファックは1844年に創立され、スウェーデンでは最大規模の美術大学です。美術、イラストレーション、陶芸、グラフィックデザイン、テキスタイル、ガラス、彫金、アニメーションなど様々な専攻があり、多くのスウェーデンの有名アーティーストを輩出している大学として定評があります。
多くの日本人にも愛されているStig Lindberg(スティーグ・リンドベリ)もコンストファックの出身で、卒業後には先生として教えていた経験もあります。
スウェーデンの児童文学でとても有名なElsa Beskow(エルサ・ベスコフ)もコンストファック出身です。彼女の代表作には、ちいさなちいさなおばあちゃん(原題:Sagan om den lilla lilla gumman)や、みどりおばさん、ちゃいろおばさん、むらさきおばさん(原題:Tant Grön, Tant Brun och Tant Gredelin)などがあります。
また現代美術家のJockum Nordström(ヨックム・ノードストリューム)も卒業生のひとりです。
彼はストックホルムのおしゃれレストランRichのメニューにイラストを描いていたり、また絵本セーラとペッカシリーズ(原題:Sellor och Pekka)は、子供から大人まで楽しめる作品として日本でも多くの人々に愛読されています。
そして、スウェーデンのテキスタイルの世界で伝説となっているテキスタイルデザイナーAstrid Sampe(アストリッド・サンペ)もコンストファックでテキスタイルを学んだひとり。
50年代に精力的に活躍してたアストリッド・サンペ。テキスタイルメーカーAlmedahls(アルメダールス)が彼女の作品を復刻させたことで、現在でも彼女のテキスタイルは世界的にも有名です。
またアストリッド・サンペが、1955年に開催された「H55」にて発表したキッチンタオルやリネンのデザインは、H55開催から50年以上たつ現在でも多くの人々に愛され使用されています。
※「H55」とは、1955年にヘルシンボリで開かれたデザイン博覧会のこと。北欧の優れたモダンデザインが世界中に認められるようになったという重要な催しでした。
その他、家具、インダストリアルデザイナーとして世界的に有名なJonas Bohlin(ヨナス・ボリーン)をはじめ、コンストファック出身の活躍しているアーティストをあげていくと、きりがありません。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、その多くの有能なアーティストを育てたコンストファックの卒業制作展、初日の16日、早速展示を見に行って来ました。
会場内は子供から大人まで、本当にたくさんの来場者で盛り上がっていました。
展示作品の中から少しご紹介。
こちらは友人マーティンの作品。コーヒーテーブルや椅子として使用できる家具で、使用していくうちにイラストが浮き出てくるそうです。
このテキスタイルは、日本人の赤羽美和さんの作品。
この掃除機は本当に欲しい!掃除機ってなかなか素敵なデザインのものに出会えないですよね。
イラスト、カーペット、陶器、アクセサリー、そして家具やプロダクトにテキスタイルまでと、今後このスウェーデンでアーティストとして活躍していくだろうと思われる生徒たちの様々な作品を見ることができ、とてもいい刺激をもらうことができました。
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