サイトのAbout usにも書いてあるのですが、わたしは日本では老人ホームで働いていました。そして今はスウェーデンで介護福祉の勉強をしています。学校は3学期(1学期は半年間)で、今はその2学期目。学校では毎学期、4週間の実習があります。1学期目は老人ホームでの実習でしたが、今回はホームヘルパーの実習。ホームヘルパーは日本でも学生時代にたったの1日実習しただけ。1人で利用者の家に行って、家事援助、身体介護を行なうなんて責任重大過ぎてわたしには無理だわー、と思っていました(施設勤務ももちろん責任重大ですが)。今回は実習なので教育係のスタッフに同行させて頂きます。基本的に簡単な家事援助が多く、その中で、お昼ごはんを作ったり、お菓子を作ったりもします。
実習中に習ったスウェーデンのお菓子、ソッケルカーカをおうちでおさらいしてみました。このレシピはスタッフのおばあちゃん(Mormor/モルモル:母方の祖母)のレシピです。ソッケルカーカ(Sockerkaka)は直訳するとシュガーケーキ。Sockerは砂糖、Kakaはクッキーやケーキなどの焼き菓子を指します。日本で近いものと言えば…普通のスポンジケーキ?
【Mormors sockerkaka/モルモシュ・ソッケルカーカ】
材料/クグロフ型もしくはパウンドケーキ型1つ分
・小麦粉:コーヒーカップ2杯
・砂糖(グラニュー糖):コーヒーカップ2杯
・卵:2個
・バター:100g
・ベーキングパウダー:ティースプーン2杯
・フィールミョルク:コーヒーカップ1/2杯
・ココナッツフレーク:適量
・バター(焼き型に塗る用):適量
・バニラシュガー(あれば):ティースプーン1〜2杯
材料は普段からおうちにありそうなもの。思いったったらすぐ作れるような気軽なお菓子です。この中で日本で手に入れるのが難しそうなものと言えばフィールミョルク(Filmjölk)。これについてはわたしもよく知らないので、Wikipediaの記事をご覧ください。Wikipediaの記事にもあるようにヨーグルトより酸味が少ないです。そしてもっと液状というかトロトロです。その昔、流行った『ヨーグルトきのこ』に似た感じでしょうか。このおばあちゃんのレシピはフィールミョルクが大事だそうなのですが、入れなくてもソッケルカーカは作れます。ヨーグルトで代用できるかは分かりません。
そして、もうひとつ、このレシピの特徴は計量がコーヒーカップやティースプーンだということ。スウェーデンの伝統的なコーヒーカップは小さいのです。それで計ります。といっても、コーヒーカップによってサイズはまちまちなはず。わたしのカップで150ml強といったところ。実習中に作ったお家のカップは120mlくらいでした。それも、すりきりだとか山盛りだとか気にしません。適当です。
<作り方>
1. オーブンを200度に予熱する。
2. バターを塗った焼き型にココナッツフレークをまぶす。
3. ボウルに卵と砂糖を入れて泡立て器で白っぽくなるまで混ぜる。
4. そこに小麦粉、ベーキングパウダー、溶かしたバター、フィールミョルク、バニラシュガーを加えてゴムベラや大きなスプーンなどで混ぜる。
5. 混ぜ合わせた生地を型に流し込み約30分、様子を見ながら焼く。
今回は上記材料の半分の量で作ったので、グラタン皿を使って焼いています。
<注意点など>
・スウェーデンでは焼き菓子を作る時に、型にバターを塗り、Ströbröd(ストローブロード)と呼ばれる細かいパン粉をまぶすのが普通です。でも、ココナッツフレークもおいしいです。
・砂糖が小麦粉と同量というのは結構、恐ろしいです。遠慮して少なめにしてみましたが、それでも甘かったです。「やさしい甘さ♡」とかではなく、しっかり甘いです。まさにソッケルカーカです。しかも、砂糖が多いせいか、焦げやすいです(実習先で作った時はそうでもなかったのになあ)。
・材料のバターは有塩です。バターがなければ製菓用のマーガリンでも大丈夫です。ちなみにわたしが使ったのは製菓用マーガリン(これも有塩)です。
・小麦粉はふるわなくても構いません。
・バニラシュガーといえばグラニュー糖っぽいのですが、スウェーデンでよく見かけるのは粉砂糖っぽいもの。しかもバニラ(Vanilj/バニリィ)ではなく、Vanillin(バニリン)Socker。合成香料を使ったものです。もちろん、本物のバニラシュガーもありますし、そちらを使うともっといい香りだと思います。
このレシピで大事なのは『適当』。材料の計り方も焼き時間も様子を見つつ、なんとなくどうにかなります。
ソッケルカーカは家庭のおやつなので、そのおうちごとにいろんなレシピがあるようです。すりおろしたレモンの皮を入れるものもよく見かけます。でも、いつも家にレモンがあるわけじゃないでしょうし、レモンなしで作ったり、スライスしたリンゴやコケモモのジャムを入れてもおいしいそう。そんな時は砂糖の量をちょっと減らしたり、その時その時で調整しつつ作るようです。何回も作っていくうちにレシピには書き表せないコツが分かってくるようなお菓子なのかも知れません。だから、フィールミョルクの代わりにヨーグルトを使ったり、グラニュー糖の代わりに上白糖を使ったり(スウェーデンには上白糖がありません)日本ならではのおいしいソッケルカーカも出来るはず。
今回のわたしのソッケルカーカは80点くらいあげても良いと思います。30分経ってオーブン開けたらまだ出来てなくて生地がへこんだり、表面が焦げたり、甘過ぎたりしたけど味はおいしかったです。これから何回も作ってわたしのレシピを作りあげます。
適当なレシピ&日本で手に入りにくい材料もあり、作って頂けるかは分かりませんが、作ってみて頂ける際には、まずは砂糖の量を減らさず、スウェーデン本場の甘さを体験して頂きたいと思います。
Smaklig fika!
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