ブロンズホースの栄光に輝いたのはオーストラリア出身のケイト・ショートランド(Cate Shortland)監督の『Lore』でした。この作品は第二次世界大戦終戦の年、1945年にナチスである両親を連合国軍に逮捕されてしまった少女、Loreを主人公としており、今回の映画祭では最優秀作品賞、最優秀女優賞、最優秀撮影賞、最優秀音楽賞を受賞しました。
"Lore"/photo : stockholms filmfestival |
その他、主な受賞は以下のようになりました。
最優秀作品賞(Best Film)
『Lore』/Cate Shortland監督
最優秀初監督賞(Best Directorial Debut)
Benh Zeitlin監督/『Beasts of the Southern Wild』
初監督特別賞(Special Mention For Directorial Debut)
Karzan Kader監督/『Bekas』
最優秀脚本賞(Best Script)
Andrew Dominik /『Killing Them Softly』
最優秀女優賞(Best Actress)
Saskia Rosendahl/『Lore』
最優秀男優賞(Best Actor)
Tim Roth/『Broken』
ストックホルム・アチーヴメント・アワード(Stockholm Achievement Award )
Wilem Dafoe
ストックホルム・ライフタイム・アチーヴメント・アワード(Stockholm Lifetime Achievement Award )
Jan Troell
ストックホルム・ヴィジョナリー・アワード(Stockholm Visionary Award)
Jaques Audiard
Jaques Audiard/photo : stockholms filmfestival |
わたしたち、KOKEMOMO Swedenが応援してたカールサン・カーデル監督の『Bekas』は初監督特別賞(Special Mention For Directorial Debut)を受賞。
「引き裂くことの出来ない強い絆、逆境に直面しながらも希望を失わないという美しい物語。監督自身の子ども時代の経験から生み出された素晴らしい2人のキャラクター。そして審査員たちを感動させたこの映画を作り上げたということ。」これらの理由に対し、審査員から特別にこの賞が与えられました。
Karzan Kader/photo:stockholms filmfestival |
スウェーデンの映画館で映画を観て感じることは「笑いのツボが違う」ということです。面白いシーンで大笑いするのはいいのですが、わたしたちとしてはハラハラするようなシーンなど「ここ笑うところ?」というようなシーンで笑ったりしているので少し驚かされます。というのも、わたしが知る限りスウェーデン人はあまり日本人のように自分の失敗話で笑いをとろうとしたり、そういう話しを聞いて笑ったりしないのです(そういう話しをすると、本気で同情されることが多い)。そのため、コメディではない映画で主人公が窮地に立たされそうになっているのシーンなどで周りのスウェーデン人が笑っていると「わたしの解釈は間違ってる?」と困惑してしまいます。
12日間に渡って開催されたストックホルム国際映画祭。この映画祭はヴェネツィア国際映画祭やカンヌ国際映画祭のように華やかではありませんが、Face2Faceのように観客が監督や出演者に直接、質問をすることができたり、映画に関するセミナーがあったりと、映画スターやセレブリティが主役なのではなく、映画を観る観客が参加し楽しめる映画祭だと思います。映画祭スタッフも学生ボランティアが多く、みんなが楽しそうにしているのも印象的です。
"Una Noche"のLucy Mulloy監督 |
第24回ストックホルム国際映画祭は2013年11月6日〜11月17日の期間で開催予定。今回は見逃してしまった映画なども多かったので、来年は事前にじっくり鑑賞スケジュールを練りたいと思います。
全ての受賞作品、受賞者:ストックホルム国際映画祭公式HP(英語/スウェーデン語)
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