4月30日は、日本では『ヴァルプルギスの夜』の名でも知られる、ヴァルボリスメッソアフトン(Valborgsmässoafton)です。元々はドイツの異教の祭日から始まり、それがキリスト教の文化や北欧に古来からあった宗教文化と混じり合い現在の形になったと言われています。この祭日の発祥など詳細についてはこちらを参照ください。
さて、スウェーデンでのヴァルボリスメッソアフトンといえば地域ごとに公園や広場で大きな焚き火を焚くのが特徴です。昔はこの季節に古い物を捨て、新しい物を迎え入れるために、その古い物を集めて燃やしていたそうです。現在では自治体にもよるのでしょうが、わたしの住む地域では木の枝などのみを燃やし、ゴミなどはヴァルボリスメッソアフトンの焚き火では燃やしてはならない、となっています。
そして、ヴァルボリスメッソアフトンといえば、街で酔っぱらった若者たちをよく見かけます。この日はスウェーデン人が初めて酔っぱらうまで飲む、アルコールデビューの日であるとも言われています。わたしは初めてスウェーデンに来たのがちょうどこの時期で、ヴァルボリスメッソアフトンの日には日中から、街行く人の多くが深緑色のビニール袋を持っていて「なんで、みんな同じ袋を持ってるんだろう?」と、不思議に思ったのですが、実はそれはシステムボラーゲット(Systembolaget)という酒屋のレジ袋(現在はイラスト入りのちょっとおしゃれなレジ袋です。)で、みんな夜に備えてお酒を買っていたのでした。ちなみに、スウェーデンではアルコール度数が3.5%より高いものは、このシステムボラーゲットでしか買うことができないのです。そして夜になると、まだまだ寒いというのに若者たちが酔っぱらって街を闊歩していました。肝心の焚き火ですが、点火の前に広場のステージで春の歌が歌われるなどのイベントがあります。その後、集められた木の枝などに点火されると、集まった人々のテンションもあがり、それぞれに持参したお酒で乾杯したり、みんなで歌ったりします。
このヴァルボリスメッソアフトンの翌日、5月1日はフォシュタ・マイ(Första maj)、いわゆる『メーデー』で、祝日となり、仕事や学校も休みなので、みんなたくさん飲んでお祝いをするのでしょうね。このフォシュタ・マイには、ストックホルム市内でも労働者などによるデモが行なわれます。
今年は、土日に引き続き、月曜日がヴァルボリスメッソアフトン、火曜日がフォシュタ・マイで、ヴァルボリスメッソアフトンは祝日ではないのですが休みをとり、週末から火曜まで連休にする人もいるそうで、ちょっとしたゴールデン・ウィークのようになっています。今年のヴァルボリスメッソアフトン、わたしは都合が悪く見に行けないので、テレビの中継を見ながら春の訪れを祝いたいと思います。
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