チャリティなどの社会活動が盛んなスウェーデン。以前も乳がんの啓発キャンペーン、ピンクリボン・キャンペーンについて書きましたが、今回は心臓、肺疾患の研究などを行なうHjärt-Lungfonden(ヤット・ルングフォンデン/心肺基金)のキャンペーン。
1904年に結核に対する基金として発足したこのHjärt-Lungfonden、現在では大動脈瘤、心筋梗塞、先天性心疾患、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患などの心血管疾患、肺疾患に対する研究を支援しています。
そして毎年、この時期にキャンペーンが行なわれるが子どもの心疾患研究を支援するAlla barnhjärtans månad(アッラ・バーンヤッタンス・モーナド/All childheart month)。このキャンペーン名はバレンタインデーのスウェーデン語、Alla hjärtans dag(アッラ・ヤッタンス・ダーグ)にかけたものと思うのですが…。このキャンペーンでは毎年、チャリティ・ピンズが発売されます。
去年のピンズをデザインしたのはスウェーデン王室のカール・フィリップ王子。
カール・フィリップ王子/photo by hjärt-lungfonden |
2013年のピンズ/photo by hjärt-lungfonden |
2012年はくまのプーさんとイーヨー。
2012年のピンズ/photo by hjärt-lungfonden |
そして、2014年のピンズを手がけたのがリサ・ラーソンとグラフィックデザイナーである娘のヨハンナです。
リサ・ラーソン/photo by hjärt-lungfonden |
リサの有名な作品のひとつであるライオンをモチーフにした赤と緑のピンズ。リサによると「わたしとヨハンナはライオンの顔がハートの形にぴったり合うと思ったの。ライオンはわたしのトレードマークでもあるしね。」「子どもたちの為に研究を進めるのはとても重要なこと、このような形で基金をサポート出来ることは喜ばしいわ。」とのこと。夫であるグンナルはバイパス手術を受けておりこういった研究の恩恵を受けていると語るリサはこのピンズにLejonhärta(レイヨンヤッタ/ライオンハート)と名付けました。『勇敢な心』を意味するライオンハートには心疾患を抱えた子どもたちと共に戦うリサの気持ちが表れているように思われます。
Lejonhjärta/photo by hjärt-lungfonden |
スウェーデンではこのような基金の活動が盛んで、寄付等も割と気軽に行なわれているように感じます。以前、お世話になった方が心疾患で亡くなったのですが、お葬式のアナウンスの際に(スウェーデンでは亡くなって数週間後にお葬式が行われることが多く、新聞広告などでお葬式の日時が知らされます)「献花の代わりに是非Hjärt-Lungfondenに寄付をお願いします」とご遺族の希望が添えられていました。このような形の寄付も多いらしくHjärt-Lungfondenのサイトにはそれ用の寄付のページもあり、ネットからカード支払いで簡単に寄付ができます。
このピンズは1月から2月の間、スーパーや本屋のレジなどで売られている他、子どもたちがクラス旅行のお金を稼ぐために売ったりもしています。価格は1つ40krで売り上げは子どもの心疾患研究プロジェクトに役立てられます。
Hjärt-Lungfonden Lisa Larson gör årets hjärtepin(スウェーデン語)
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