2012年10月21日日曜日

スウェーデンの極上レストラン、フランツェン/リンドベリ

この近年で世界の注目を集めている北欧キュイジーヌ。
それには、2010年以来3年連続で「世界のベストレストラン50」でトップに選ばれているデンマークのレストラン「ノマ(Noma)」の影響も大きいのではないでしょうか。

「世界のベストレストラン50」はイギリスの料理専門雑誌が主催している、今世界の一流シェフが最も注目しているランキング。今ではトップの座に輝く「ノマ」、それ以前はあのスペインの「エル・ブリ」が4年連続でトップの座を守っていました。

そしてデンマークのお隣、私の住むスウェーデンでも、同じくこの世界のベストレストラン50に入る素晴らしいレストランがいくつかあります。
今年2012年のランキングで20位の「フランツェン/リンドベリ(Frantzén/Lindeberg)」、32位の「フェーヴィーケン(Fäviken)」、そして41位の「マティアス・ダールグレン(Mathias Dahlgren)」です。

この3軒のレストランはスウェーデンではもちろん、誰もが知る有名レストラン。
食に目がない私。というよりもただの食いしん坊なだけですが、この3件とも大好きなレストランであり、すでに何回か訪れたこともあります。(Fävikenは最近念願がかないようやく行くことができたものの、プライベートではなく取材で行ってきました!笑)どのレストランもさすが世界の50位内に選ばれるだけあり、とにかく食材から演出、味、そしてサービスに至るまで、全てが素晴らしすぎて訪れるたびに感動を覚えます。

昔は美食の中心と言えばフランス。それがここ近年で一気に美食家の注目が北欧へと向かいました。その証ともなるのがこのスウェーデンの3軒のレストラン、ともに2010年、2011年、「世界のベストレストラン50」ではなんとランキング外なのです。今後も、世界的に北欧キュイジーヌの熱はますます高まっていくこと間違いなしと言っても過言ではないでしょう。

さて、今週日本では、10月17日から北欧5カ国の在日大使館による食交流促進イベント「ノルディック・スターシェフ・イン・ジャパン」が開催されていました。
このイベントに、スウェーデンからは世界のベストレストラン20位にも選ばれている、フランツェン/リンドベリ(Frantzén/Lindeberg)のシェフ、ビヨーン・フランツェン(Björn Frantzén)が来日をしています。

私が日本へいるなら、このイベント是非行きたかった!

まだまだ日本では知られていないフランツェン/リンドベリ(Frantzén/Lindeberg)。とにかく素晴らしいレストランなので、このせっかくの機会に、私が訪れた時の素晴らしいお料理を少しご紹介しようと思います。
フランツェン・リンドベリには、今までに2回訪れたことがあります。2回とも、まだこの世界のレストラン50に選ばれる前でしたが、それでもすでに予約を取るのは困難でした。今となってはさらに予約を取るのが難しくなっていることでしょう。そしてやはり値段も少しだけですが上がっていますね。当時でもお支払いの際には、日本行きのエアーチケットが余裕で買えるなぁなどと思ったものですが......。

ストックホルムの旧市街ガムラスタンの中にあるこのレストラン。お店の中は15人も入ればいっぱいになるような、こじんまりとしたレストランです。
オープンは2008年。レストランの名前は、シェフのビヨーン・フランツェン(Björn Frantzén)とパティシエのダニエル・リンドベリ(Daniel Lindberg)の2人の名前からとったもの。2009年にはミシュラン1つ星を獲得し、続けて翌年2010年には2つ星を獲得しています。

私が初めて訪れたのが確か3年前の2009年。
さすがに3年前にもなると、写真を見ても思い出せないお料理もちらほら......。
オープンした当初からずっと気になっていたこのレストラン。念願かなっていざ行くこととなった時は前日からワクワクしていたことを覚えています。
このときは確か8品のコースにワインのパッケージをつけました。8品といっても、その前後に小さいお料理がたくさん出てくるため、最終的にはトータルで約15品ほどのお料理をいただくことになります。さすがに後半はおなかがいっぱいでやっとの思いで完食した記憶があります。当時訪れたときはメニューがなく、今日使用している食材と産地名が載ったリストを渡されるだけ。お料理は出てきてからのお楽しみという演出でした。


ぱくっと一口で頂けるようなお料理が次から次に出てきます。食べるのがもったいないような美しさ。



フランツェン・リンドベリのパンはとにかくおいしい!こんなパンが食べられるなら、パン嫌いの私でも毎日食べてしまうかも。




このチキンとブルゴーニュワインの組み合わせが最高でした。

右下はバター。奥のバターがなんとスモークをしたバターで、これがびっくりする美味しさで感動しました。左側がチーズの盛り合わせ。お皿はツールドフランスの地図を真似てチーズを産地ごとに配置。そしてiPodが出てきて、そこから流れてくる解説は、まるでツールドフランスの解説をしているかのように、チーズの説明をしてくれるのです。それを聞きながら食べるという面白い演出でした。


下の4つはデザート。デザートだけでもこんなにたくさん出てきます。もちろん、一皿一皿のポーションは大きくないのでぺろりと完食できてしまいます。右下はとてもとても小さなチーズバーガー。だけどもちろんデザートなので、ハンバーガーに似せて作ったマカロン。ミニケチャップとミニマスタードもついてくるのですが、これは確かラズベリージャムとかだった記憶が。アイデアも本当に素晴らしい!



言うまでもなくワインペアリングも素晴らしかったです。



そして2回目に訪れたのは確か2010年。(2011年だったかも....)
一回目に訪れたときとの違いは、ミシュラン1つ星から2つ星へ。そして、メニューは相変わらずないものの、帰り際にはその日食べたメニューを頂くことができるようになっていました。

こちらは自家製のCharkuterieというハムが中に入っていました。


こちらは自家製の天然酵母のパンを発酵中。テーブルで発酵の様子をしばらく見ることができます。のちほど、これを焼いてくれるので焼きたてのパンを食べることができます。




中心のピンクのマカロン。これはチェリーのマカロンの間に、カモのレバーパテとキャラメリゼされたコンデンスミルクに白みそが入っているという、文字だけを読んでいると全くお味が想像つかない代物なのですが、甘じょっぱいようなお味で美味でした。









先ほどテーブルで発酵させていたパンが焼きたてほやほやになって出てきました。パンもさることながら、前回同様に自家製バターがとにかくおいしい!

8週間熟成させたスウェーデン牛を薄ーくスライスして、このレストランの畑でとれたハーブ、スモークしたうなぎ、カモのレバーなどがのせられた一品。



左のぶれた写真の白ワインは、私の大好きなルロワさまのワイン。ルロワ(Leroy)と言えば、ブルゴーニュで数々の伝説を残しており、天才と言われている女性醸造家です。こんなの見つけたら飲まないわけにはいきません!このブルゴーニュ・ブラン(Bourgogne Blanc)はルロワのワインの中ではお手頃価格のワイン。彼女のワインは何十万もするワインなんてざら。
でも、そんなお手頃価格のワインでも彼女のものは本当に素晴らしいのです。
右は、シャトーヌフデュパップ(Chateauneufa-Du-Pape) の生産者ではトップと言われているシャトーレイヤス(Chateau Rayas)のピニャン(Pignan)。こちらもとてもおいしくいただきました。


こちらがノルウェーはHitra産のKammussla(カムムッスラ)というホタテの一種。エッグクリームにゴットランド(Gotland)産のトリュフやスモークしたきのこ、レモンの皮などがたっぷりかかっています。うまみがぎっしりつまった一品でした。


食べ終わるとそこにこの貝の出汁を注いでくれます。その出汁スープとともに、右にある貝と魚の卵のタルタルを一緒に頂きます。タルタルがほのかなゆずの味がして、少し和な感じでした。




一皿一皿、泣けてくるほどに繊細で、芸術的な美しさがあります。
そして、フランツェン/リンドベリは自社の畑を持っており、そこでとれた野菜やお花、ハーブがお料理ごとにふんだんに使われています。



鉄瓶がでてきて何事かと思ったら、その中には白醤油とトリュフを使用したスープが。和を少し意識したんでしょうね。そのスープとともに頂くものはなんとフレンチトースト。左側の黒い点は100年醸造させたというバルサミコ。この組み合わせにはとにかく驚き。なんというか、料理の限界と思われているところから逆に新しいものを生み出す、そんなことが一流と言われる人はできてしまうことに打ちのめされたような記憶があります。





この時、ワインやお料理をサーブしてくれたFelix。彼とはこれが出会いで、その後様々なところで出会うようになりました。現在Felixは、去年2011年にオープンして今ストックホルムで一番話題になっているファインダイニングレストラン、ガストロロギック(gastrologik)で働いています。このレストランもとても素晴らしいレストランなので、また違う機会にでもご紹介したいと思います。



月桂樹の葉のアイスクリーム。添えられているものは、レストランの持つ畑にあるリンゴの木からとれたリンゴを使用したジャムやリンゴたちに、パースニップのチップス。爽やかな自然な甘さを楽しめました。

最後の締めが、自家製マーマレードをつけていただくロールケーキ。これが幸せになる美味しさでした。



フランツェン/リンドベリのお料理は一品一品、とにかく手が込んでいて美しい。しかも美しいだけではなくお料理の本質である美味しさもきっちりと持ち合わせています。
素材へのこだわりは彼らのプライドさえも感じられるほど。

北欧の、その土地にしかない素材を集め、じっくり吟味し、北欧らしさや料理のおいしさを追求しながら独自の世界をつくりあげているレストラン、フランツェン/リンドベリ。

貴重な体験をしたい方は是非一度、訪れてみることをおすすめします。北欧キュイジーヌを堪能できること間違いなしです!

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2012年10月15日月曜日

チョコレート・フェスティバル 2012

ストックホルムのユールゴーデン島(Djurgården)にある北方民族博物館(Nordiska Museet/ノルディスカ・ムセェット)で毎年、この時期に開催されるチョコレート・フェスティバル(Chokladfestivalen/ホクラードフェスティヴァーレン)に行ってきました。

会場の北方民族博物館

今年で10周年を迎えるこのイベントではスウェーデン中のチョコレート・ショップのチョコレートを味わうことができます。
博物館の中に入ると正面に鎮座しているグスタフ・ヴァーサ(Gustav Vasa)の像の前にはステージが設置され、そこではプロのショコラティエによる実演や、今年のナンバーワン・パティシエを選ぶコンペティションなどが行なわれます。



そして、博物館1階のホールには様々なチョコレート・ショップや食品メーカーなどのブースが並びます。


わたしが行ったのは土曜日の閉館2時間前だったこともあってか、思ったより混んではいなかったのですが、それでも人気チョコレート・ショップには人だかりができていました。それは、まさに日本のヴァレンタイン・シーズンのデパートのよう。(品揃えも人の多さも日本の方がすごいですが…。)

ヨーロッパのチョコレートというと、ベルギー、フランス、スイスなどが有名ですがスウェーデンのチョコレートもなかなかおいしいんです。カカオの風味がしっかりしているというよりはミルクチョコレート系が多く、外国のチョコレートにありがちな甘すぎるということもないので日本人の口にも合うと思います。


今回のチョコレート・フェスティバルに参加したチョコレート・ショップなどをいくつかご紹介いたします。

チョコレート作りの材料などを取り扱うオーソ(Åsö)。


ストックホルムを代表するチョコレート・ショップ、ホクラードファブリーケン(Chokladfabriken)はさすがの人気。会場ではここの紙袋を下げた人が多くいました。ここで試食したクリスマスシーズンに飲むスパイスのきいたワイン、グロッグ(Glögg)のチョコレートはとてもおいしかったです。


ストックホルム郊外、シグテューナ(Sigtuna)にあるR.C. ショコラ(R.C. Chocolat)。ここのリコリス味のアーモンドチョコはリコリス嫌いでも食べられる不思議なおいしさ。シグテューナのお店は雰囲気も良くケーキなどもおいしいです。


ストックホルム地下鉄の赤ラインの終点のひとつ、フルーエンゲン(Fruängen)駅近くにあるハンドヨート・ストックホルム(Handgjort Stockholm)。『ハンドメイド・ストックホルム』の意味を持つこのお店は小さいながら、本格的なプラリネチョコレートが美味。個人的にはストックホルムで1番好きなチョコレートです。今年の11月にはストックホルム市図書館の近くに新しいお店がオープンするそうで、わたしにとっては行きやすくなるのでとても楽しみです。


ストックホルム郊外、北部のノルテリエ(Norrtälje)にあるエン・リーテン・スムーラ(En Liten Smula)。デコレーションも店員さんの白い制服もかわいい乙女チックなブース。かわいいだけかと思いきや、試食させて頂いたチョコレートもおいしかったので購入。いつかお店に行ってみたいです。


このチョコレート・フェスティバルの楽しみは何といっても、普段なかなか行くことのできない地域のチョコレートが味わえること!

スウェーデン、南東部に位置する島、エーランド(Öland)のチョコレート・メーカー、エーランズ・ホクラード(Ölands Choklad)。エーランド産の牛乳をはじめイチゴやヤギのチーズなど地元の食材を使ったチョコレートが並びます。



スウェーデンの南部の街、グレンナ(Gränna)のグレンナ・ホクラードマケリー&カフェ(Gränna Chokladmakeri & Café)。このグレンナは赤と白のしましまミントキャンディ、ポルカグリース(Polkagris)で有名なのですが、そのポルカグリースを使ったチョコレートも。


そして、わたしの1番のお目当てはヨーテボリの老舗チョコレート・ショップ、フリッコナ・カノルド・ホクラード&コンフェクト(Flockorna Kanold Choklad & Konfekt)。ヨーテボリにあるお店もクラシカルでとても素敵、ヨーテボリに行くことがあれば是非、立ち寄って欲しいお店です。わたしのお気に入りはヤギチーズ&ハチミツのチョコ。変な組み合わせのようですが、これが意外においしい。ほかにもブルーチーズのトリュフなどもあり、これもまたおいしいのです。もちろんスウェーデンのベリーを使ったチョコレートなども揃っています。



そして、博物館のレストランとワインの輸入などを行なうModern Winesによるポップアップ・カフェが登場。ここではホクラードファブリーケンとコラボしたデザートとそれに合せたワインを楽しむことができます。食べる前にはチョコレートに合うワインなどの説明もあります。


今回、購入したチョコレートがこちら。

「もっと買えば良かった…。」と今になって後悔しているのですが、おいしいチョコレートが家にあるというだけで幸せ。これからちょっとずつ楽しむことにします。


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