2015年12月29日火曜日

スウェーデンの老人ホームで働くということ

こんにちは、mayukoです。

去年の今頃『KOMVUX - スウェーデンの学校』という記事で医療福祉系のコースを修了し、Undersköterska(アンダーナース)になったと言うことを書きましたが、その後就職活動を行い今年の2月から老人ホームで働いています。

その職場の忘年会に当たるようなクリスマスパーティーが先日、行なわれました。わたしが勤めている施設は私立なため、ストックホルム内にある他の施設との合同のクリスマスパーティー。思ったより大がかり。

途中、歌手の人が出てきて歌ったり。最後の方はABBAのDancing Queenで客席も総立ち「さすがスウェーデン!ABBAって…!」と1人でウケてしまいました。

さて、わたしが働いてるのは6ユニット全60床の私立の老人ホーム。日本で民間、私立といえば有料老人ホームを思い浮かべるかもしれませんが、スウェーデンでは私立も公立も入所にかかる費用は特に変わりはないとのこと。わたしはスウェーデンの高齢者福祉の制度には全く詳しくなく、この入所費用についても同僚に聞いたのですが。

わたしが海外研修で初めてスウェーデンに来た2004年、私立、公立両方の老人ホームで実習をさせて頂いたのですが、その頃に比べ、福祉施設の民営化が進み、その結果としてなのかは分かりませんが職員の数が大幅に減っています。

わたしが働いている施設では基本的に1ユニット10人の利用者に対し日中は2人の介護スタッフが配置されています。それなら余裕でしょ!?と思われるかもしれませんが、この2人で清掃、洗濯、ちょっとした調理、フィーカのためのお菓子作りなども行なうので利用者とゆっくり座ってフィーカ、なんて時間はほとんどありません。日本のグループホームもこんな感じかもしれませんが、特別養護老人ホームしか知らないわたしにはこれはこれで大変です。

介護スタッフの殆どは移民。国はそれぞれですがアフリカ、中東などからの人が多いです。なぜ、移民が多いかと言うとやはりいわゆる3Kだからだとわたしは思っています。
日本のメディアなどで『スウェーデンの介護職は充分な給料をもらっている。スウェーデンの高齢者福祉は充実している』なんて記事を見ると「どこの国のこと言ってんのこの人!?一回働いて言ってくれ!」と思わずにいられません。

さすがにわたし自身の給料はお教え出来ませんが、スウェーデンの色んな職業の給料統計が見れるサイトLönestatistik.seによるとストックホルムのアンダーナースの平均月収は約21000kr。現在のレートで約29万8000円。これだけ見れば多く感じるでしょう。しかし、ここから税金が引かれます。そう、あのスウェーデンの高い税金です。一般的に30%と言われていますが収入にもより、わたしで約25%の税金が引かれています。四分の一も税金で持って行かれるかと思うと改めて腹立ってきました。平均月給の21000krから25%を引くと15750kr(約22万3000円)。これでもまだまだ高く見えるかもしれません(それに、ボーナスはないし、交通費だって出ません)。しかし、スウェーデンの物価は高いのです。コンビニで500mlのペットボトルを買えば約300円、ファストフード店でセットを頼めば約1000円。その上ストックホルムの住宅事情は最悪。普通に賃貸を借りても高いのにその賃貸さえなく又貸しなどでアパートを借りる人も多くそれだと家賃は一気に跳ね上がります。家を買いたくてもワンルームの中古アパートで150万kr(約2100万円)超えは当たり前。わたしはスウェーデンに初めて来る方などには「物価は日本の約2倍だと考えて下さい。」と良く言うのですが、それらを考えてもまだなお『アンダーナースの給料はしっかりと保証されている』と言えるでしょうか?

なんだか愚痴っぽくなってきましたが、いいことも。
何と言っても有給が取れる!わたしも2月に働き出して10月には4週間有給とって日本へ。有給とれるのはいいけど、夏のバケーションシーズンには有給をとる人が多く現場は夏休みバイトばかりに。残された正社員はかなり辛いです。
そして残業もない、あってももちろん残業代が出る。
当たり前と言えば当たり前のことですが日本の労働環境に慣れていたわたしにはありがたい限り。

他に日本との違いとして
職員が休む。
毎日誰かが休んでいるような気がします。それをギリギリになって連絡してくる。シフト調整係の上司は本当に大変だと思います。欠勤で穴が空いたシフトは基本的にパートタイム、時給で働いてるスタッフで埋めるのですが、調整がつかない時はわたしたち正社員にも声がかかります。朝の6時に電話がかかってきて「今から出て来れる?」なんてことも。最初はこのエクストラの出勤要請に「Nej(No)」と言えなかったのですが、ある時OKした後に「やっぱりOKするんじゃなかったー!」と後悔しているわたしに同僚が「Noと言うことも覚えないと」とアドバイス。それからは無理な時は「Nej」と言うように。最初は罪悪感みたいのもありましたが慣れてしまえば大丈夫。引き受けていやいや働くよりずっと良いです。そしてスウェーデンの恐ろしいところは夏の天気がいい日に『病欠』が増えること。同僚曰く、たぶん仮…。

上司や利用者をファーストネームで呼ぶ。
まあ、これは老人ホームに限らずですが。最初はちょっと抵抗がありました。学校の先生をファーストネームで呼ぶのも苦手でした。

リネン類が私物。
これは現場で働いた方の方が分かりやすいと思うのですが。シーツなどが私物でシングルサイズなのにマットレスは分厚い除圧マットレス。地味にストレスです。三角コーナーとか作れません。

職員が国際的
先ほども書きましたが、色んな国出身の人たちが働いています。自国での仕事を尋ねると獣医師、エンジニア、経理、裁判所勤務…など、キャリアを持つ人も多いのですが、やはりスウェーデンで同じ職業に就くのは難しいとのこと。どの国の人が特にどうだ、とかはないんですが、皆なかなかキャラが濃いです。

ペット可
これは全ての老人ホームではないかもしれませんが、わたしが働く会社の老人ホームではペットと一緒に入居することができます。わたしの働いているところには30歳超えのオカメインコを飼っている方がいました。一生懸命日本語教えようとしたけど、わたしが有給の日本から帰ってきたらいなくなってました…。飼い主自身が「もう面倒が見れない」とのことで飼い主がいなくなったりした鳥が集まる施設に引き取られたそうです。しょぼん…。他の施設ではネコを飼ってる方も。散歩が必要な犬などは難しいかもしれませんが室内飼いが出来るペットであればOKなようです。
職員も自分の犬を連れてきたり、面会に来るご家族も犬を連れてきたりします。みんな良い子だし、利用者も動物好きな方が多いので動物の訪問を喜びます。

他にもいろいろあると思うのですが、改めて考えてみると出てきません。

さて、先日、職場からクリスマスプレゼントをもらいました(これもスウェーデンでは普通です)。プレゼントは素敵なシーツセット。

でも、これって家のベッドのサイズと違ったらどうすんだろ…?
なんてプレゼントにケチをつけるようなことは言ってはいけないのです。

仕事はどの仕事も大変とは分かっているもののみきちゃんに愚痴ばかり言っているわたしですが、やはりこの仕事が好きなのでこれからも頑張って職場のお局様目指したいと思います。

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